青年は××をめざす! 第二話
2004年4月26日 青年は。。メジャーになると言っても、何でメジャーになろうか。
壮太郎は、駅前のファーストフード店で、ハンバーガーを食べながら考えていた。
そして、コーラをストローで、チュウチュウと吸った。
そして、氷をガリガリ噛んだ。
ガリガリ、ガリガリ……。
俺の好きなものって何だろうか。
好きなものでメジャーになりたいな。
サッカーが好きだな。でも、サッカー選手には今更なれないし。
スポーツで、成功をおさめるのは無理だな。
そんな事を考えていると、隣にいたサラリーマン風の中年男二人が話かけてきた。
「お兄さん、学生?」
メガネをかけた男が言った。
「えっ。はい、そうです」
壮太郎は答えた。
「ちょっと今、時間ある?」
メガネの男とは別の、M字ハゲの男が訊いてきた。
「いや〜、まぁ、用事はないですけど、何ですか?」
「おいしい話があるねんけど、興味ないかな?」
M字ハゲの男が言った。
「おいしい話ですか」
「そう、おいしい話。興味あるかな」
そう言って、メガネの男が、壮太郎にグッと近寄ってきた。
「あると言えば、ありますけど」
「そうか、あるか」
メガネの男が言った。
「どういった話なんですか?」
「ここでは話せへんから、事務所に移動してもらわれへんやろか」
M字ハゲの男が言った。
「どうして、ここでは話せないんですか?」
「他の人には知られたくない、秘密のおいしい話やからねぇ」
M字ハゲの男はニヤリと笑った。
壮太郎は、少し迷ったが、もしかしてこれは神様が与えてくれた、メジャーになるチャンスかもしれないと思った。
「どうする、事務所で話をきくかい?」
メガネの男が言った。
「はい、事務所に行きます」
「そうか、ほな行こうか。ついて来て」
メガネの男とM字ハゲの男は、したり顔をして、立ち上がった。
壮太郎は、二人に案内されて、事務所へ行った。
つづく
壮太郎は、駅前のファーストフード店で、ハンバーガーを食べながら考えていた。
そして、コーラをストローで、チュウチュウと吸った。
そして、氷をガリガリ噛んだ。
ガリガリ、ガリガリ……。
俺の好きなものって何だろうか。
好きなものでメジャーになりたいな。
サッカーが好きだな。でも、サッカー選手には今更なれないし。
スポーツで、成功をおさめるのは無理だな。
そんな事を考えていると、隣にいたサラリーマン風の中年男二人が話かけてきた。
「お兄さん、学生?」
メガネをかけた男が言った。
「えっ。はい、そうです」
壮太郎は答えた。
「ちょっと今、時間ある?」
メガネの男とは別の、M字ハゲの男が訊いてきた。
「いや〜、まぁ、用事はないですけど、何ですか?」
「おいしい話があるねんけど、興味ないかな?」
M字ハゲの男が言った。
「おいしい話ですか」
「そう、おいしい話。興味あるかな」
そう言って、メガネの男が、壮太郎にグッと近寄ってきた。
「あると言えば、ありますけど」
「そうか、あるか」
メガネの男が言った。
「どういった話なんですか?」
「ここでは話せへんから、事務所に移動してもらわれへんやろか」
M字ハゲの男が言った。
「どうして、ここでは話せないんですか?」
「他の人には知られたくない、秘密のおいしい話やからねぇ」
M字ハゲの男はニヤリと笑った。
壮太郎は、少し迷ったが、もしかしてこれは神様が与えてくれた、メジャーになるチャンスかもしれないと思った。
「どうする、事務所で話をきくかい?」
メガネの男が言った。
「はい、事務所に行きます」
「そうか、ほな行こうか。ついて来て」
メガネの男とM字ハゲの男は、したり顔をして、立ち上がった。
壮太郎は、二人に案内されて、事務所へ行った。
つづく
青年は××をめざす! 第一話
2004年4月25日 青年は。。つまらん、こんな生活はつまらん。
大学へ向かう電車に揺られながら、中山壮太郎はそう思った。
今春、大学に進学した壮太郎は、家と学校を往復するだけの毎日に、苛立ちを感じていた。
俺の人生はこのままでいいのだろうか……。
彼は、やりたい勉強があって、大学に入ったわけではなかった。
なんとなく、まわりの雰囲気に流されて、受験勉強をして、なんとなく大学に進学したのだった。
これでいいのか俺の人生。
何かしないと、何かしないと。
彼の頭の中で、何度もその言葉が繰り返された。
窓の外には、のどかな田園風景が広がっていた。
彼は車窓を眺めながら、この悶々とした生活から抜け出すためには、何をしたらいいのか考えた。
隣のサラリーマンが読んでいる新聞の見出しが、ふと目に入った。
『松井秀喜、満塁ホームラン!』
それを見て、彼は思った。
よし、大学を辞めよう。メジャーを目指そう。
メジャーになろう。何かでメジャーになろう。メジャーだ。
彼は大学に行くのをやめる事にした。
彼は次の停車駅で降りて、引き返した。
つづく
大学へ向かう電車に揺られながら、中山壮太郎はそう思った。
今春、大学に進学した壮太郎は、家と学校を往復するだけの毎日に、苛立ちを感じていた。
俺の人生はこのままでいいのだろうか……。
彼は、やりたい勉強があって、大学に入ったわけではなかった。
なんとなく、まわりの雰囲気に流されて、受験勉強をして、なんとなく大学に進学したのだった。
これでいいのか俺の人生。
何かしないと、何かしないと。
彼の頭の中で、何度もその言葉が繰り返された。
窓の外には、のどかな田園風景が広がっていた。
彼は車窓を眺めながら、この悶々とした生活から抜け出すためには、何をしたらいいのか考えた。
隣のサラリーマンが読んでいる新聞の見出しが、ふと目に入った。
『松井秀喜、満塁ホームラン!』
それを見て、彼は思った。
よし、大学を辞めよう。メジャーを目指そう。
メジャーになろう。何かでメジャーになろう。メジャーだ。
彼は大学に行くのをやめる事にした。
彼は次の停車駅で降りて、引き返した。
つづく