蚊の教習。

2004年8月1日
蚊A
  あ〜、わたし、お腹がペコペコ。
  あなたはどう?
  
蚊B
  わたしもお腹へってる。
  
蚊A
  あそこに人間がいるわよ。
  ちょっと吸ってかへん?

蚊B
  吸ってく、吸ってく〜。
  でも、わたし、まだ血を吸ったことがないの。

蚊A
  えっ、そうなんだ。
  成虫になったばっかりなの?

蚊B
  うん。
  どうやって、血を吸ったらいいか教えて。

蚊A
  いいわよ。
  わたしがやるのをしっかり見ててね。

    不破臼人が、寝ころがって、
    テレビで、阪神対巨人の試合を観ている。
    試合に熱中していて、蚊がいることに気づいていない。

不破臼人
  おらー、今岡〜。打てぇ〜。
  上原、失投しろー。
  おぉ。打ったぁ、やったー、同点や〜。

蚊A
  しめしめ、野球に熱中してるわ。
  これなら安心。
  (蚊Aは、不破の太ももにとまる。)
  では、さっそく吸わせていただきまーす。
  チュウ、チュウ。

蚊B
  うわっ、スゴーイ。
  人間に近づくなんて、こわくないのかな。
  ドキドキする。

蚊A
  なにしてるのよ。
  今がチャンスよ。あなたも吸いなさい。

蚊B
  こわいなぁ。
  でも、お腹すいてるし。
  仕方ない。
  (蚊Bは、不破の足の親指のツメにとまる。)

蚊A
  なにやってんのよ。
  ツメの上じゃ、血は吸えないわよ。

蚊B
  えっ、ここはダメなの。
  じゃあ、ここは。
  (蚊Bは、不破の足の中指のツメにとまる。)

蚊A
  そこも一緒よ。
  ツメの上からじゃ血は吸えないって。

蚊B
  じゃあ、ここは。
  (蚊Bは、不破の足の裏にとまる。)

蚊A
  別にいいけどさ……。
  あんた、変わってるわね。

蚊B
  チュウ、チュウ。
  あ〜、おいしい、おいしい。
  まんぷく、まんぷく。

蚊A
  もういいわね。
  さっさと退散しましょう。

不破臼人
  頼む、金本。ホームラン打ってくれー!
  そんで、逆転や。
  ん……。なんかカユイぞ。
  (不破、太ももを見る。)
  うわ〜。太もも、蚊にさされてるやん。くそっ。
  なんか、足の裏もカユイぞ。
  (不破、足の裏を見る。)
  うわ〜。こんなところもさされてる。
  (不破、足の裏を掻こうとする。)
  ぎゃ〜、こそばゆーて、たまらん。掻きたいけど、掻けへんやん。
  どうしたらええんや〜。
  掻くべきか、掻かざるべきか。それが問題だ!
  って、言うてる場合か。
  カユイ。でも、掻けない。カユイ。でも、掻けない。カユイ。
  ぎゃ〜。これぞ、ジレンマだ!!

蚊B
  見て、見て。
  なんか人間が、大騒ぎしてる。
  どうしたのかな。
  
蚊A
  きっと馬鹿なのよ。
  ほっときましょう。

蚊B
  うん。

    蚊A・蚊Bが、飛んでいく。

不破臼人
  ぎゃー!!!
  カユイ。でも、掻けない。カユイ。でも、掻けない。
  ぎゃー!!!
  カユイ。でも、掻けない。カユイ。でも、掻けない……。
  ぎゃー!!!

 

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