お下劣ヒーロー

2003年12月7日
夜遅く不破は家路を急いでいた。
すると、そこに、ナイフを持った男が現れた。
「おい、金出せ。出さんかったら、刺し殺すぞ」
男は、ナイフを突き出して、すごんだ。
「お前にやる金なんぞない!」
不破は言った。
「命が惜しくないようやな。なら死ねや!」
「嘘です、嘘です。ギャー、助けてー」
不破は逃げた。
ナイフを持った男は、追いかけてきた。
「痛ぇ」
道路の段差につまづいて、不破は倒れてしまった。
「死ねー」
ナイフを持った男が、突進してきた。
もうダメだと不破が思ったその時、「まてーい」と、誰かの声がした。
「誰や!」
ナイフを持った男は、あたりを見回した。
すると、ブロック塀の上に、茶色のタイツを着た男が立っていた。
「お、お前は、誰や」
「ふっ、俺の名か。そんなに知りたいか」
「イヤ、別に」
「知りたいと言え」
「じゃあ、知りたいです」
「じゃあではなく、ぜひ知りたいと言え」
「はい、はい。ぜひ知りたいです」
「そんなに知りたいか。では、教えてやろう」
「お前が言わせたんやろ」
「余計な事を言うな。やり直しや」
「ぜひ、知りたいです」
「では、教えてやろう。俺の名は…、俺の名はうんこマンだ」
「う、うんこマン!?」
「そうだ。乱暴をやめないと、うんこを投げつけるぞ」
「うんこ投げつけられるのか」
「そうだ」
「うんこを投げつけられるのイヤだぁー」
男は、ナイフを捨てて、逃げていった。
「大丈夫ですか、あなた」
うんこマンが笑顔で、不破に近づいてきた。
「う、うんこくせぇ」
不破は言った。
 

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