イタチとの約束の時間である、子の刻まであと20分くらい。
ようやく、あつしたちはイタチの棲みかの近くまでやってきた。
お姫さまを、どうやって助けだすか、作戦を練ることにした。
イタチの体は、ねずみの3倍以上はある。
まともに戦って、勝てる相手ではない。
クップティとフォティキュがおとりになって、あつしがお姫さまを助けだす。
と、いう作戦を考えた。
「岩の向こうに、いけにえを連れてきています」
と、イタチを誘って、その間にお姫さまを助けだすのだ。
作戦を実行する前に、クップティがイタチの棲みかを偵察しに行った。
あつしは、クップティが無事に戻ってくる事を祈った。
「クップティは、お姫さまの事が好きなんだぜ」
フォティキュが言った。
「えー。だから命を懸けてでも助けだすって言ってたのかぁ」
あつしは言った。
「好きな人のために命を懸ける。かぁ〜、かっこいいね」
「フォティキュさんも僕のために王様にお願いしてくれて、すごくかっこよかったです」
「そうか、えへへ」
そうこう話していると、クップティが帰ってきた。
「今、チャンスだ。イタチが眠りこんでいる」
クップティが言った。
あつしたちは、イタチの棲みかへと急いだ。
イタチは、土管を棲みかにしていた。
イタチの棲みかに、あつしたちは忍びこんだ。
すやすやと、イタチは眠っている。
「ドジなやつだ」
フォティキュが言った。
あちこち探してみるものの、お姫さまは見つからなかった。
「どこにいるんだろう」とクップティが言った。
「イタチを起こして聞くしかないな」とフォティキュが言った。
「でも、そんな事したら、僕らもあっさりと捕まってしまう」
あつしが言った。
クップティがカバンから、縄を取りだした。
「これで、体をしばって動けなくしてから、たたき起こそう」
イタチが目を覚まさないようにして、手足を縄でしばった。
そうしてから、イタチの耳元で、「起きろー」とあつしが大声で叫んだ。
「うわっ、なんだっ」
イタチは、びっくりして飛び起きた。
けれども、縄で体をしばられているため、動けない。
「やべっ」
あつし、クップティ、フォティキュの姿を見て、イタチが言った。
「お姫さまはどこだ」
クップティが言った。

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