きのうあったか、なかったか。とにかくきのうあったこと。
夕暮れの公園で、あつしはサッカーの練習をしていた。
すると、あつしのとなりの家で飼われているネコの、ミネテルが歩いてきた。
「ミネテル、こっちおいで」
あつしが名前を呼んだのに、ミネテルは、フンッとした態度で歩いていった。
「かわいくないなぁ」
あつしが、サッカーの練習をしていると、ボールが草むらに飛んでいった。
高く茂った草が、ボールを隠して、なかなか見つけられない。
「どこにいったんだろう」
しばらく探していると、あつしは草むらに、大きな穴があるのを見つけた。
「もしかして、この穴にボールが落ちたのかな」
あつしは穴の奥を見ようと、のぞきこんだ。
すると、足元の土がくずれて、あつしは穴の中へ転がり落ちた。
「うわぁぁあ」
あつしは、まっ暗な洞くつに閉じ込められた。
こわくなって、涙をぼろぼろと流しながら「おかぁさん、おとうさん、たすけて」と、さけんだ。
洞くつは広いのだろう。さけび声が、遠くまでひびいている。
泣きつかれて、黙っていると、誰かの声がした。
「このあたりから、声が聞こえたんだよな」
「もうちょっと奥まで行ってみようぜ」
洞くつの遠くの方から、誰かが近づいてくる。
あつしは、灯りを見つけた。
「こっちだよ、たすけて」
あつしは、近づいてくる影を見て、びっくりした。
人間じゃなかった。大きなねずみだった。
「あそこに人間が迷いこんでいるぞ」
「つかまえようぜ」
二匹のねずみが、あつしをつかまえようと、やってきた。
あつしは必死になって逃げた。
でも、暗くて、ゆっくりでしか走れない。
とうとうあつしは、二匹のねずみにつかまってしまった。

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