『ねずみの国のあつし』 最終話
2003年11月16日あつしたちは、穴をのぞいた。
すると、穴の底でミネテルは「ここから出すざます」と怒っていた。
「もうねずみを襲わないって約束したら、出してやってもいい」
クップティが言った。
「そんな約束するわけがないざます。ねずみは大好物ざます」
「飼い主に食べ物をもらってるんだから、ねずみを襲わなくても大丈夫だろ」
あつしが言った。
「ねずみじゃなきゃ、イヤなんざます、イヤなんざますぅ〜」
「それじゃもういい、俺たちは帰るぞ」
クップティが言った。
そうやって、あつしたちと、ミネテルが言いあっているのを、イタチが隠れて見ていた。
イタチは、ミネテルを助けようと様子をうかがっていた。
みんな、穴の中を見ているので、背後にイタチがいるとは気づいていない。
イタチは、静かに近づいていった。
自分を縄で引っ張りまわしたフォティキュを、ミネテルの落ちた穴に突き落とそうと考えた。
音をたてないようにして、イタチは、ゆっくりと近づいてゆく。
ゆっくり、ゆっくり近づいてゆく。
と、その時、イタチの右足が、土にめりこんだ。
その瞬間、地面が崩れて、イタチは穴の中へ落ちていった。
実は、モグラが念のために、二つ落とし穴を掘っていたのだった。
「あれぇ〜」と、叫びながら、イタチは落ちた。
「今、誰かの叫び声が聞こえなかったか?」
クップティが言った。
「気のせいじゃないのか」
フォティキュが言った。
話し合いの結果、ミネテルは、ねずみを襲いませんと約束した。
ミネテルは、穴から、縄を使ってひっぱりあげられた。
「もう、悪さしたらダメだよ、ミネテル」
あつしは言った。
「あばよざます」と言って、ミネテルは去っていった。
あつしたちは、ねずみの国に帰ろうとした。
すると、もうひとつの穴から、「助けてくれー」という声が聞こえた。
のぞいてみると、イタチがいたので、ミネテルと同じ、ねずみを襲いませんと約束をさせて、穴からひっぱりあげた。
「ミネテル様〜」と言って、イタチは走っていった。
あつしたちは、モグラにお礼を言って、ねずみの国へと帰った。
ねずみの国に着くと、たくさんの人々が出迎えてくれた。
あつしたちが、宮殿に行くと、王様と王女様と、お姫さまが待っていた。
「これから、勇者達のためにパーティをひらこう」
王様が言った。
あつし、クップティ、フォティキュのために、パーティがひらかれた。
フォティキュは、おいしい食べ物がたくさん用意されて、大喜びだった。
あつしにとっては、ゲテモノばかりなので、どれも手をつけられなかった。
王様があつしの所にやってきて、「約束通り、人間の世界に戻るのを許可しよう」と、言った。
「今すぐにでも帰りたいです。お母さんと、お父さんに会いたいです」
あつしは言った。
「そうか、そうか。わかった」
王様は言った。
王様は、人間の世界へ戻れる道を知っているねずみを連れてきた。
あつしは、クップティ、フォティキュと抱擁して、別れを惜しんだ。
「クップティさん、フォティキュさん、どうもありがとうございました」
あつしは言った。
「元気でな」と、クップティが言った。
「忘れるなよ」と、フォティキュが言った。
あつしは、何度も後ろを振りかえりながら、宮殿をあとにした。
道案内のねずみに、連れられて、人間の世界に戻れる出口までやってきた。
あつしは、道案内のねずみに「サヨナラ」と言って、出口を抜けた。
すると、そこは、いつもと変わらない近所の公園があった。
「やったぁ、元の体に戻ってる」
あつしは、急いで家に帰った。
一晩家に帰らなかったから、きっと大騒ぎになっているだろうとあつしは思った。
家に入ると、「お帰り、あっちゃん。もうすぐ晩御飯よ」と普通に言った。
逢いたかったよと言って、あつしは母親に甘えようと思っていたのに、なんだか様子が変だ。
あつしは、あれっと思って、「僕、昨日から帰ってないよね」と訊いた。
そしたら、「晩御飯のしたくで忙しいのよ、テレビ見て待ってなさい」と言われた。
あつしが、テレビをつけると、火曜日にやっているアニメがやっていた。
昨日が火曜日で、今日は水曜日のはずなのに、おかしいなぁと、あつしは思った。
あつしが、混乱していると、外で「ミャーオ」と猫の鳴き声がした。
窓から外を見ると、ミネテルが、隣の家の塀の上を歩いていた。
ミネテルのヒゲは、片方なくなっていた。
「やっぱり、本当だったんだ」
あつしは、家族にねずみの国の事を話したけれど、誰も信じてくれなかった。
学校でも、友達に話したけれど、信じてもらえなかった。
公園に行って、ねずみの国に落ちた穴を探したけれど、どこにもなかった。
季節が春になった頃、あつしが友達とサッカーをしていると、つがいのねずみが、水のない用水路にいるのを見つけた。
そのねずみは、きっと、クップティとお姫さまだと、あつしは思った。
つがいのねずみは、仲良く駆けていった。
おはなしは、これでおしまい、おしまい。
すると、穴の底でミネテルは「ここから出すざます」と怒っていた。
「もうねずみを襲わないって約束したら、出してやってもいい」
クップティが言った。
「そんな約束するわけがないざます。ねずみは大好物ざます」
「飼い主に食べ物をもらってるんだから、ねずみを襲わなくても大丈夫だろ」
あつしが言った。
「ねずみじゃなきゃ、イヤなんざます、イヤなんざますぅ〜」
「それじゃもういい、俺たちは帰るぞ」
クップティが言った。
そうやって、あつしたちと、ミネテルが言いあっているのを、イタチが隠れて見ていた。
イタチは、ミネテルを助けようと様子をうかがっていた。
みんな、穴の中を見ているので、背後にイタチがいるとは気づいていない。
イタチは、静かに近づいていった。
自分を縄で引っ張りまわしたフォティキュを、ミネテルの落ちた穴に突き落とそうと考えた。
音をたてないようにして、イタチは、ゆっくりと近づいてゆく。
ゆっくり、ゆっくり近づいてゆく。
と、その時、イタチの右足が、土にめりこんだ。
その瞬間、地面が崩れて、イタチは穴の中へ落ちていった。
実は、モグラが念のために、二つ落とし穴を掘っていたのだった。
「あれぇ〜」と、叫びながら、イタチは落ちた。
「今、誰かの叫び声が聞こえなかったか?」
クップティが言った。
「気のせいじゃないのか」
フォティキュが言った。
話し合いの結果、ミネテルは、ねずみを襲いませんと約束した。
ミネテルは、穴から、縄を使ってひっぱりあげられた。
「もう、悪さしたらダメだよ、ミネテル」
あつしは言った。
「あばよざます」と言って、ミネテルは去っていった。
あつしたちは、ねずみの国に帰ろうとした。
すると、もうひとつの穴から、「助けてくれー」という声が聞こえた。
のぞいてみると、イタチがいたので、ミネテルと同じ、ねずみを襲いませんと約束をさせて、穴からひっぱりあげた。
「ミネテル様〜」と言って、イタチは走っていった。
あつしたちは、モグラにお礼を言って、ねずみの国へと帰った。
ねずみの国に着くと、たくさんの人々が出迎えてくれた。
あつしたちが、宮殿に行くと、王様と王女様と、お姫さまが待っていた。
「これから、勇者達のためにパーティをひらこう」
王様が言った。
あつし、クップティ、フォティキュのために、パーティがひらかれた。
フォティキュは、おいしい食べ物がたくさん用意されて、大喜びだった。
あつしにとっては、ゲテモノばかりなので、どれも手をつけられなかった。
王様があつしの所にやってきて、「約束通り、人間の世界に戻るのを許可しよう」と、言った。
「今すぐにでも帰りたいです。お母さんと、お父さんに会いたいです」
あつしは言った。
「そうか、そうか。わかった」
王様は言った。
王様は、人間の世界へ戻れる道を知っているねずみを連れてきた。
あつしは、クップティ、フォティキュと抱擁して、別れを惜しんだ。
「クップティさん、フォティキュさん、どうもありがとうございました」
あつしは言った。
「元気でな」と、クップティが言った。
「忘れるなよ」と、フォティキュが言った。
あつしは、何度も後ろを振りかえりながら、宮殿をあとにした。
道案内のねずみに、連れられて、人間の世界に戻れる出口までやってきた。
あつしは、道案内のねずみに「サヨナラ」と言って、出口を抜けた。
すると、そこは、いつもと変わらない近所の公園があった。
「やったぁ、元の体に戻ってる」
あつしは、急いで家に帰った。
一晩家に帰らなかったから、きっと大騒ぎになっているだろうとあつしは思った。
家に入ると、「お帰り、あっちゃん。もうすぐ晩御飯よ」と普通に言った。
逢いたかったよと言って、あつしは母親に甘えようと思っていたのに、なんだか様子が変だ。
あつしは、あれっと思って、「僕、昨日から帰ってないよね」と訊いた。
そしたら、「晩御飯のしたくで忙しいのよ、テレビ見て待ってなさい」と言われた。
あつしが、テレビをつけると、火曜日にやっているアニメがやっていた。
昨日が火曜日で、今日は水曜日のはずなのに、おかしいなぁと、あつしは思った。
あつしが、混乱していると、外で「ミャーオ」と猫の鳴き声がした。
窓から外を見ると、ミネテルが、隣の家の塀の上を歩いていた。
ミネテルのヒゲは、片方なくなっていた。
「やっぱり、本当だったんだ」
あつしは、家族にねずみの国の事を話したけれど、誰も信じてくれなかった。
学校でも、友達に話したけれど、信じてもらえなかった。
公園に行って、ねずみの国に落ちた穴を探したけれど、どこにもなかった。
季節が春になった頃、あつしが友達とサッカーをしていると、つがいのねずみが、水のない用水路にいるのを見つけた。
そのねずみは、きっと、クップティとお姫さまだと、あつしは思った。
つがいのねずみは、仲良く駆けていった。
おはなしは、これでおしまい、おしまい。
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